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ヨゴダ設立③

前回、最後に少しだけ触れた「ヨゴダ」という社名の由来について、今日はお話しさせていただきます。


【フォートコーチ、港町の書店での出会い】

インドでの旅の途中、私たちがニラーマヤのヨガマットに出会ったのは、ケララ州のフォートコーチというエリアでした。かつて貿易の拠点として栄えたこの街は、西洋の面影を残す古い建物とインドの活気が混ざり合い、独特の風情を醸し出しています。

気温は30度ほど。港町特有の湿り気を帯びた海風が、散策する私たちの肌を心地よくとおっています。道路は半分ほどしか整備されておらず、人気のない商店が並ぶ通りを15分ほど歩いていると時折ヤギの群れとすれ違う。そんな景色が、改めて「今、自分はインドにいるんだ」という実感を深く感じさせます。  




ニラーマヤの現地のお店を訪れてマットを購入した後にこの街を続けて散策していると、一軒の書店を見つけました。洋書が並ぶその一角に、日本ではまず見かけないようなヨガの専門書がずらりと並ぶコーナーがありました。とても貴重な本がたくさんあるように見えて、誰か手に入れようと考えていると、そこでふと目に飛び込んできたのが、インドで聖者として敬われる青年、スワミ・ヴィヴェーカーナンダさんの本でした。

私は、こうした時にふと視界に飛び込んでくる直感や、心の奥から湧き上がる「欲しい」という感覚を、とても大切にしています。その分厚い本を手に取ってみると、そこにはヨガを「4つの道」として体系化した知恵が記されていました。

カルマ・ヨガ: 結果に執着せず、世のため人のために行動・奉仕する道

バクティ・ヨガ: 万物への愛と祈りとともに生きる道

ラージャ・ヨガ: 心の制御と集中により、内なる真実に至る道

ニャーナ・ヨガ: 知性と識別力を用い、真実と非真実を見分ける道

「どの道からでも、この道の深淵に辿り着ける」

その言葉に強い興味を引かれ、私はアシュラムでじっくり読もうと、ワクワクしながらその本をバッグに忍ばせました。


【エルサルバドルの少女との対話から「一冊の自伝」へ】

シヴァナンダ・アシュラムでの一ヶ月の生活が始まり、私は日々少しずつ、その英語の分厚い本を読み進めていました。アシュラムには世界中から人々が集まり、常に入れ替わりながら共に学びを深めます。



ある日、私が食堂で本を読んでいると、エルサルバドル出身の女の子が目を輝かせながら話しかけてきました。「その本、何を読んでいるの?見せて!」と。

彼女は滞在時期が重なっていたこともあり、よくヨガの話をした仲でした。師(スワミジ)による毎日の講義でも、積極的に質問を投げかける非常に意欲的な子です。彼女は私のヴィヴェーカーナンダさんの本を数分間パラパラとめくると、本を置いてこう言いました。

「この本はヨガの論理を説明した、素晴らしい教科書のような本ね。でも、あなたがもっと気に入る本がきっとあるわ。それは知識としてのヨガではなく、実際にヨガを『生きた』人の自叙伝なの。あなたの読んでいるその知識を、人生を通して体現した貴重な人の記録。パラマハンサ・ヨガナンダが書いた『あるヨギの自叙伝』よ!」

彼女がどれほどその本に感動したのか、その瞳の輝きだけで伝わってくるようでした。滞在中は手に入れることができませんでしたが、帰国後もどうしてもその本が頭から離れず、私はすぐにネットで注文して手に入れました。


【「ヨゴダ」という言葉との出会い】

手元に届いた『あるヨギの自叙伝』を開くと、私は一気にその世界へ引き込まれていきました。インドでの実体験があるからこそ、文章から立ち上がる光景が鮮明なイメージとなって浮かび上がります。分厚い本でしたが、毎日肌身離さず持ち歩き、時間を忘れてヨガナンダさんのストーリーに没頭しました。これほどまでに心を揺さぶられ、引き込まれた読書体験は、私にとって特別なものでした。

ヨガナンダさんの人生は、まさに奇跡の連続です。私たちの知る由もない大きな力がこの世界に働いていることを、静かに、しかし力強く突きつけてきます。彼はヨガを西洋に広めた先駆者の一人ですが、19世紀末から現代に続く「ヨガの大きなうねり」の源流に触れるような、壮大な感動がありました。

その本の終盤に差し掛かったときのことです。

彼がインドに設立した学校の名前が出てきました。

「ヨゴダ・サットサンガ・ソサイエティ」

その瞬間、私の目は釘付けになりました。「ヨゴダ」という言葉。

私の苗字は「余語(ヨゴ)」ですが、この苗字は非常に珍しく、親戚以外で出会うことはまずありません。そんな自分の名前の一部が、人生で最も感動している本の中に突如として現れたのです。

調べてみると、サンスクリット語で

「ヨゴ(Yoga)」は、統一・調和・安定。

「ダ(Da)」は、分かち与える、伝える。

という意味がありました。

私の頭の中で、**「調和を分かち与える者=ヨゴダ」**という言葉が響きました。

勝手な解釈かもしれませんが、本を通じて「それを体現するのがヨゴだ!」とダジャレですが笑 名指しで言われたような、強烈な衝撃を感じたのです。


このひらめきこそが、私たちの社名の由来です。

ニラーマヤのヨガマットを届けることで、使ってくださる方々に「調和と安定」を手にしていただくこと。

そして、いつか私たちが作る場所が、心地よく自分に帰れる「調和を分かち合える場」であること。

まさに、この本の主人公ヨガナンダさんから、「この感動の先にあるものを形にしなさい」と背中を押されたような気がしたのです。

設立当時の私たちは、会社の作り方も、どうすれば「調和を分かち与える」ことができるのかも、全く知りませんでした。それでも、「やるべきだ」という確信だけを持って、夫婦で合同会社ヨゴダを設立しました。

私たちはまだ、どうやってこの理想を完全に現実化していくか、その途上にいます。けれど、「世界に調和を分かち与える存在であること」という存在であることは明確に見据えています。

これから私たちがどのように皆様と一緒に歩み、それを実現していくのか。ぜひ、共に見守っていただければ幸いです。

今後は、インドでの具体的な経験や、ヨゴダのこれからの事業についても、肩の力を抜いて楽しく記していこうと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。

 
 
 

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